常設楽器

グランドピアノ:プレイエル3bis(1905年製)

ショパンが愛したピアノとしても有名なプレイエルピアノは、人間の声のような温かい音色と繊細でありながら豊かな響きで、全世界にコアなファンを持つピアノです。

 

プレイエル社(フランス)について

プレイエル社は1807年、ハイドンの友人で作曲家のイグナッツ・プレイエルによって創業されました。

「ピアノとは演奏者の声としての楽器であり、そして芸術品であるべき」と主張したイグナッツ・プレイエルは、その生涯を楽器創りに捧げました。その後2代目を継承した彼の息子のカミーユ・プレイエルのもとで、飛躍的な事業の発展を遂げました。彼は当時の幾多の著名芸術家と親しく関わり、彼らの意見を元にさまざまなピアノの改良を行いました。

中でも、ショパンはプレイエル・ピアノを「完全無欠」といい、生涯プレイエル・ピアノを愛用しました。プレイエル・ピアノは現在までに実に200年もの間、世界の偉大な芸術家たちを魅了し続けています。

 

プレイエル3Bisについて

1870年に初めてMODEL No.3bis が登場し、1900年代に入って現在の一体型フレームによる総鉄骨方式に改められた他、内部メカニックもプレイエル社独自のダブルアクションが装備されます。

アトリエミストラルに常設されたプレイエル3bis は、No.3bis型の完成形となる 164cmのモデルとして1905年に登場しました。このモデルは当時のプレイエルのグランドピアノの中でも、サイズと価格がお手頃で最も人気があった傑作の名高いモデルで、グノーやマスネ、フォーレら世界的に著名な音楽家にも愛用されました。

特徴は、プレイエルの理想を体現したと言っても良いもので、“シンキングトーン”を体現した、極めてまろやかに長く鳴りつづける声のようで、明快で艶と甘美さを兼ね備えた音色が演奏者のイマジネーションをかきたたせる魅惑的なピアノと言えるでしょう。

リードオルガン:西川オルガン(1930/昭和5)年製

西川寅吉により製作された西川オルガンは、明治~昭和にかけて数多く製作されましたが、現存するほとんどが修復が必要ですが、完全に修復できる人が非常に少ないのが現状です。

当館所有の1930年製(日本楽器横浜工場製)の西川オルガンは、オルガン修理の達人「才気堂」の渡邉祐治さんの手による完全修復を経て蘇った、音色も外観も大変美しいリード(足踏み)オルガンです。